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高知県の古本屋の歴史①

2023.02.14

その他

機会があり高知県の古本屋の歴史について調べてみました。
一部「佐川史談 霧生関」参照
本屋(古本屋)は江戸期から多く存在していましたが高知に関する資料は乏しく、
資料として確認できるのは明治期の土陽新聞(高知新聞の前身)の記事です。
明治15・16年頃の土陽新聞に書林 澤本駒吉、本丁 栗尾民蔵がある。と書かれており
本丁 栗尾民蔵においては牧野富太郎の未発表原稿の中に”本丁の古本屋で「大和本草」「救荒本草」買った”
とあることから高知ではこの頃から古本屋は存在していたことが分かります。
※本丁とは現在の上町一丁目
明治21年の土陽新聞には古本屋の広告も掲載されています。

大正期には、東京古書籍商組合が創立し全国にも古書籍商組合が誕生していきます。
大正15年の全国書籍商組合員名簿には高知県書籍商組合という名前も初めて登場します。

昭和7年に東京で全国古書籍商連盟が結成されました。現在の全国古書籍商組合連合会
昭和8年の高知県の組合員は4名でしたが、昭和19年までには組合員は19名となり、組合未加盟の古本屋も含むと、
それなりの数のお店はあったのだと思います。

しかし昭和20年の高知大空襲で市街地に集中していた古本屋の大半は店舗や書籍を焼失しました。
戦後の昭和21年 高知県古書籍商組合の再結成時には既存の11名と新規参入を含めて合計で約40人hどに
膨れ上がり、その後昭和23年には約70人にまで増えました。
理由は戦後、職も無く家の蔵書を売るしかなかったからだそうです。
この頃の高知の古本屋の規模は西日本では最大だと聞いたことがあります。他県の資料を調べていないので、
定かではありませんが人口規模を考えると納得できます。
しかし、気軽に参加してきた人やにわか古書店では長く続かず数年、もしくは数か月で廃業していった人が
ほとんどでした。
結局、昭和28年には組合員は20名まで激減しました。その内古本屋は8名で残りは貸本屋という状況でした。

今回はここまで

昭和期、中期・後期、そして平成・令和についてもまた調べたいと思います。

※写真は昭和4・5年頃の京町通り

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